鬼のすべて 【鯨 統一郎】 光文私Eカ庫

「う・v、最初に読み始めたとき、「これはしま・ス」と思・スが、「まあ、冷植ノ読み進めよう」と気を取q唐オて・・・。

最初にショッキングなシーンがいきなり出てきたときの感想が純]。
同じようにショッキングな話がクライマックスに出てくる。

この物語を読むときは覚悟のうえ読んでもらいたい。
その点だけ気をつければ、よく練られた、十分読みごたえのある作品である。

主人公はちょ・ニ頼りない女性刑事。女友達が殺されたことから犯人探しが始まる。ここに鬼伝紳重厚に絡んでくるのだが、それぞれの登場人物の性格設猪bは・ォりしていて読みやすい。最後の謎解きもひねvb効いていて納得がいく。

この作品は、鯨ワールドの中でも一、二位を争う傑作になるのではないか。
難点を一つだけ挙げればタイトルか。鬼の「すべて」というのは、いかにも蠀シすぎる。題名にもひとひねり効かせてもらいたか・ス。
でも、十分すぎる出来である。ぜdFA読んでもらいたい一作である

タイムスリップ釈迦如来~鯨 統一郎 著~講談私Eカ庫

鯨統一郎のタイムスリップシリーズの第三弾である。
前作の「タイムスリップ明治維新」に比べると、だいぶ調子を取り戻してきた感じで、解説にもあnラ、かなり軽妙なタッチのミステリに仕純I・トいる。

タイムスリップシリーズということで、一応、麓うららが出てくnラ、今回の主人公は、うららの入学したダイビングスクールのインストラクター、吉野公彦である。

この二人がブッダの時代にタイムスリップして、現代に戻るために、中国の老子とギリシアのソクラテスを、ブッダの弟子に取り込もうする。一人また一人と弟子を隠ヲりU盤から中盤は、軽快なテンポでストーリーが進んでいく。

ところが、終盤のブッダ組対ソクラテス組の舞台対決がいただけない。
マツケンサンバとかB’zのラブ・ファントムのくだvbはしゃぎ過ぎの感じがして、なぜソクラテスがこのような歌を知・トいるのかの説明がない。ひょ・ニしてソクラテスもタイムスリップしてきた現代人か、と一瞬期待したが、そうではなか・スし・・・。
最後のオチも、もうひとひねり欲しか・スような・・・。なぜ、吉野公彦がタイムスリップしたのか、など。
現代に戻ると、歴史がちょ・ニだけ変わ・トいたというお決まりのオチは健在だ・スので、まあ、・ョとするか、とい・スところだ。

肩の帰轤ネい、鯨ギャグ満載の娯楽作品としてお薦めである

邪馬台国はどこですか? 【鯨 統一郎】創元推理文庫

初めて読んだ「鯨統一郎もの」である。
管理人は、それまでミステリといえば、海外のホームズかルパンしか知らなか・ス。いわんや日本の本格的な推理小説などというものには、ほとんど興味を示さなか・ス。したが・ト、創元推理文庫といえば、リュパン(創元社では「ルパン」をこのように表記する)を始めとする海外ミステリとSFしかないものと勝手に思い込んでいた。

ところがある日、本屋の創元推理文庫コーナーの前を何気なく通りすぎようとしたとき、「邪馬台国」の文字が目に飛d償んできたのはちょ・ニした毅ォだ・ス。「え・A創元推理文庫・ト日本のミステリも扱・トいるのか」と。

ぱらぱら・ニページを捲・トみた。いつもの癖であとがきに目を通す。
文庫書き下ろしでデビューだ・ト? 結構、期待の作家らしい。邪馬台国だけではなく、信長の本能寺の変の物語もあるらしい。ちょ・ニ読んでみるか。

軽い気持ちで買・ス本だ・ス。ところが、これが読み始めると面白い。登場人物は少なく、こじんまりとしたバーのカウンターでの世間話という設定で、軽快なテンポで話が進んでいく。ところどころのポイントで、作者の独自の歴史的解釈が挿入されていく。その語り口はあくまでも簡潔で判りやすい。この辺が、明石散人と異なるところである。読んでで疲れらキとがない。
ミステリとはこういうものだ・スのか、と新しい本の世界を見開かされた気がした。

お手軽に読める歴史ミステリとして、ぜdCヌんでもらいたい一編である

日本史アンダーワールド 七つの金印 【明石散人】講談私Eカ庫

本屋で見かけた「七つの金印」の標題。志賀島の「漢委奴国王」の金印の話らしい。明石散人ものとしては2冊目だ。
最初に見つけたときは、「第二の鯨統一郎」を見つけたと喜んだものだ・スが、一冊、二冊と読んでいくうちにブレーキがかか・トきた。

資料分析に相当時間をかけていらキとはうかがえる。が、あまりにも話が細かすぎて複雑すぎて、読んでいて疲れてくる。本書でも、金印とそれの模刻印を巡る話が延々と続く。そして、最終的には本物はどこかに吹き飛んでしまい、かつて偽物を作・ス一族が、それを本物とすべくストーリーをで・ソあげたというオチ。もともとフィクション仕立てなので期待する方が無理とい・トしまえばそれまでだが・・・。

無駄な飾りつけを削ぎ落とし、自説のポイントだけポーンと投げ掛け、ほんわかとした余韻が残る鯨ワールドがなつかしく感じられる・・・。

「読み飛ばす」には向かない一遍である。一言一句噛みしめながらじ・ュり読み込みたい人向けの本である。

タイムスリップ明治維新(鯨統一郎)~講談私Eカ庫

統一郎の「タイムスリップ森鴎外」の続編とも言うべき一編である。前作で現代にタイムスリップしてきた森鴎外を助けた現代の女子高生うららが、今度は幕末に飛ばされてしまうというもの。

読み終わ・ス感想は、鯨統一郎の作品にしてはクオリティが低いなあという印象。
いつもの鯨作品に見られるキレが感じられない。
なぜだろうと思い返してみると、全体の構成の詰めが晦「のではないか、という感じがした。

未来からのタイムパトロールが、序盤にあ・ウり正体を明かしてしまう。現代での友達に名前・顔が似ている人物が過去にも出てきて、先祖~子孫の伏線を思わせるのだが、ラストで現代に戻・トきたときにその伏線が中途半端で「あれれ?」とな・トしまう。

鯨統一郎の踀ヘはこんなものじゃあない。あまりお薦めできない作品である